2022年10月30日(日)
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聖書一日一章 テモテへの手紙第一 1章
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私を強くしてくださる私たちの主キリスト・イエス。(12節)
この手紙はパウロが彼の片腕の伝道者テモテに書き送ったものです。背景になっている状況が、どの伝道旅行にも拘留時期にも当てはまらないので、拘留から解放され、自由に伝道できた時期があり、そのときに書いたと考えられています。テモテはエペソ教会の責任を持っていたようですが、違った教えを説く人たちがいて、悩んでいたので、自分がキリストによって強められたように、同じように強められて戦い抜くように励ましています。
さて、12節では、「私を強くしてくださる、私たちの主キリスト・イエス」と言っています。たしかに、キリストは私たちをあらゆる面で強くしてくださいます。しかし、パウロはここでは、すぐ後で、自分のことを「罪人のかしら」と言い、キリストが「罪人を救うために世に来られた」と言って、キリストが罪深い歩みから救い出してくださったことを強調しています。ですから、「強くしてくださる」と言うのは、救ってくださることを指していると思いました。ローマ人への手紙5章でも、救われる前のことを「まだ弱かったころ」と表現していることからも、そう考えてよいでしょう。
外面的には、パウロは救われてかえって弱くなったように見えます。「私は以前には、迫害する者、暴力をふるう者でした」と言うように、いわば凶暴なテロリストだったのに、暴力を受けても抵抗しない者になったからです。しかし、本当の強さは肉体的な強さでも暴力的な強さでもありません。最終的に勝利をもたらす魂の強さです。その意味では、罪人、つまり、神を知らず神に反した歩みをしている人は、本当は弱いのです。誘惑に弱く、自分を抑えることができず、悪いことをしているなら、最終的に自滅するからです。
魂の強さという意味では、キリストは驚くほど強い方です。どんな誘惑にも負けず、暴力をふるわれても怒らず、すべてを耐え、どんな困難にもめげず、良い目的を遂行していかれ、さらに、殺されても生き返ることができたのです。こんなに強い方はありません。私たちがキリストを信じるときに、私たちの内に宿り、私たちをご自身と同じように強くしてくださるのです。
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