2022年11月9日(水)

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聖書一日一章     テトスへの手紙 1章

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善を愛し、慎み深く、正しく、敬虔でありなさい。(8節)

この手紙はパウロが地中海のクレタ島にいた後輩の伝道者テトスに書いたものです。時期は、テモテへの手紙第一と同じころ、パウロがローマでの拘留から解放されて自由に伝道できた時期だと考えられています。パウロはテトスを連れてクレタ島に行き、しばらく伝道した後、彼をそこに残し、クリスチャンたちがしっかり信仰に立つことができるように指導させました。

パウロはここでは、クリスチャンたちを指導する長老や監督を任命する上で、その人物に求める条件を挙げています。長老は、「非難されるところがなく、一人の妻の夫であり、子どもも信者で、放蕩を責められたり、反抗的であったりしないことが条件」とされています。善良な市民でかつ良き家庭人であることとまとめることができます。だれにも欠点や問題があり、どの家庭にも問題があって、この条件をクリアするのは難しいですが、クリスチャンの中には、そういう方もおられるような気がします。しかし、監督の条件ははるかに高く、こんな条件をクリアできる人がいるのだろうかと思います。まず、「非難されるところのない者」ですが、これは具体的には次に続く、「わがままでなく、短気でなく、酒飲みでなく、乱暴でなく、不正な利を求め」ない人のことでしょう。ここまでなら、当てはまる人もいるかもしれません。しかし、後半の、「人をよくもてなし、善を愛し、慎み深く、正しく、敬虔で、自制心があり、教えにかなった信頼すべきみことばを、しっかりと守ってい」る人となると、だれも当てはまらないでしょう。たとえ推薦されても、みな辞退するでしょう。あまりにも高すぎます。

しかし、条件とか資格とかと考えず、このような人を想像し、あこがれるならば、どうでしょうか。とてもすてきな人で、気持ちよく、いっしょにいるだけでうれしくなるような人ではないでしょうか。私たちはそこにキリストの姿を見ます。キリストが私たちの内に住まれて、私たちを100%変えられたなら、きっとそんな人になることでしょう。私たちは今はそうでなくても、そうありたいと思います。そのためには、私たちの内にキリストが豊かに住まわれ、私たちを内から変えてくださることです。そう祈りましょう。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成