2023年3月2日(木)

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聖書一日一章    出エジプト記 4章

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どうかほかの人を遣わしてください。(13節)

弾圧の中で生まれてきたモーセは、王女に拾われ、王宮で育てられ、あるとき、同胞を助けようとして失敗し、シナイ山の近くに隠れましたが、長い年月の後、神が語りかけられました。ここでは、神が語られたという事実を人々が信じるために、杖が蛇に変わる奇跡と、手が突然ツァラアトになったり治ったりする奇跡を与えられました。また、口下手な彼のために、兄アロンを代弁者とされました。その後、モーセは家族を連れてエジプトに帰りました。

さて、モーセは13節で、「どうかほかの人を遣わしてください」と言いましたが、14節には、「すると、主の怒りがモーセに向かって燃え上が」ったとあります。怒りが燃え上がったと言うと、モーセがそこで打たれて死んでしまってもおかしくありませんが、実際には、雄弁な兄アロンがモーセの代わりに語るようになっただけで、それだけです。ですから、表現は激しくても、「気を悪くされた」ぐらいの意味でしょう。それにしてもどうして気を悪くされたのでしょうか。「ほかの人を遣わしてください」と言ったからでしょうか。そうではないと思います。

「(そんな大きな務めを負うとは、)私はいったい何者なのでしょう」と言ったときは、「わたしが、あなたとともにいる」から大丈夫だと答えられました。人々から尋ねられたときのために、神の名を尋ねたときには、「わたしはある」という者だと答えられました。そして、「私は口が重いのです」と言ったときには、「わたしがあなたの口とともにある」と答えられました。難しい使命に困惑するのは当然で、質問するのを、神はけっして面倒に思われません。私たちにも、モーセに対してのように直接は答えられなくても、聖書を通し、内なる導きを通し、出来事や出会いを通して答えられます。

しかし、モーセが13節で、「どうかほかの人を遣わしてください」と言ったのは、理由のない拒否でした。それには神も答えることもどうすることもできないので、気を悪くされたのでしょう。私たちも、理由もなく拒むことがあるのではないでしょうか。食べず嫌いはやめましょう。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成