2023年4月5日(水)

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聖書一日一章    出エジプト記 38章

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会見の天幕の入り口で務めをした女たちの鏡で、それを作った。

(8節)

モーセがシナイ山の上で神から作るように命じられた礼拝のための幕屋を、神から指名された二人の職人が中心になって製作していました。ここでは、いけにえを焼く祭壇、祭司たちが身をきよめる洗盤、幕屋を囲む幕を張るための柱と台座を青銅で製作したことを記しています。

さて、8節には、祭司たちが身をきよめる洗盤について、「会見の天幕の入り口で務めをした女たちの鏡で、それを作った」とあります。「会見の天幕」というのは、モーセが、神と会見し、み心を伺うために設けた天幕ですが、その天幕の入口で、多くの女性たちが当番で仕えていたようです。その女性たちが多くの青銅の手鏡をささげたのですが、それで青銅の洗盤を作ったというのです。彼女たちは信仰深く、祈り深い女性たちだったでしょう。当時、身だしなみや化粧のための手鏡は、女性にとって一番大事な道具でしたが、彼女たちは神を礼拝するための聖なる幕屋を作ると聞いて、それならぜひ使ってもらいたいと思って、ささげたのです。

手鏡をささげた女性たちは、ささげたために自分の顔を見れなくなり、うまく化粧できなくなったかもしれません。しかし、一番大事なものをささげるその、無欲な、こだわりのない、解放された心は、彼女たちの顔も輝かせたのではないでしょうか。また、ささげた手鏡は洗盤となり、祭司たちが務めを始める上で、身をきよめる、つまり、水を浴びて、邪念を捨て、心を神に集中するために用いられました。そのことは、イスラエルの民全体が健全な信仰を保つために役立ったでしょう。彼女たちは自分の顔は化粧という形できれいにできませんでしたが、イスラエルの民全体をきれいにしたと言えます。私たちもそんな心を持っていたいものです。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成