2023年4月19日(水)

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聖書一日一章    レビ記 12章

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二羽の山鳩か、二羽の家鳩のひなを取る。(8節)

女性が出産したときの汚れときよめの規定です。出産したとき、男の子の場合は7日間、女の子の場合は14日間汚れるとされ、この期間は触れたものも汚れるので、外出はもちろん家族と接することさえできません。その後、きよめのために、男の子の場合は33日間、女の子の場合は66日間、家にこもり、その期間が満了したとき、子羊1頭と鳩1羽、貧しい人の場合は鳩2羽をいけにえとして祭司の所に持っていくことで、きよめが完了します。

それにしても、出産をどうして汚れたものとしているのでしょうか。出産は人間の自然な営みですし、生まれた赤ちゃんは無垢で、最も汚れのないものです。それなのにどうして汚れているのでしょうか。おそらく、神がそう考えておられると言うよりも、人々がそう考えていたので、出産した女性が汚れから解放されるために、その手続を定められたのではないでしょうか。というのは、古代においては、どこの国でも出産を汚れと考えていたからです。日本でも昔は汚れたものとして母屋から離し、納屋で出産したそうですし、インドではいまだにそのような習慣が残っているようです。古代の人々が出産を汚れと考えたのは、血が出るからで、血は死に直結し、死霊が寄ってくると思ったのでしょう。実際、昔は乳児死亡率が高く、4人に1人ぐらいが死に、母親が死ぬことも多かったので、そのように思ったとしても自然です。だとすれば、出産の汚れは人々の死に対する恐怖から出たと言えます。

ところで、ルカの福音書2章24節には、キリストがお生まれになった直後、きよめの期間が満了したとき、両親は幼な子のキリストを連れて神殿に行き、鳩2羽をいけにえとしてささげました。マリアもこの規定に従ったのです。汚れなき神の子が聖霊に包まれて生まれてこられ、汚れなど微塵もないのに、汚れたものとして取り扱われ、またそれに甘んじられたのです。また、キリストはきよい神の子であり、罪も汚れもないのに、汚れた人間として取り扱われることを忍ばれました。そして、汚れた罪人として十字架につけられることまで受け入れられたのです。すべて私たちを救うためでした。私たちを救うために、キリストがすべての恥を忍ばれたことを覚えましょう。

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