2023年5月17日(水)

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聖書一日一章    民数記 13章

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イスラエルの子らに悪く言いふらした。(32節)

イスラエルの民は、シナイ山のふもとを発ち、パレスチナの南端まで来ました。そこで、その地を調べるために、各部族1名ずつからなる偵察隊を遣わしました。彼らはその地を行き巡って調べ、帰って、報告しました。「そこはたしかに乳と蜜が流れる地、牛や羊を飼うのに適し、果樹の多い豊かな地です。ただ、その地に住む民は強く、町々は大きく城壁があり、攻略は困難で、伝説の巨人アナクの子孫がいます。」利点と難点がありました。それを聞いて、人々に不安が広がったので、偵察隊の一人カレブは、「ぜひとも行って、そこを占領しよう。必ずできるから」と励ましましたが、偵察隊のほかのメンバーが否定的なことを言ったので、人々は絶望してしまいました。

さて、32節には、「彼らは偵察して来た地について、悪く言いふらした」とあります。偵察隊の多くの者がその地について悪く言いふらしたので、人々は神の約束も出エジプト以来経験してきた神の力も忘れてしまい、占領するなどとても無理だと思ってしまいました。このように、悪く言いふらすことは、驚くほど大きな力を持っています。ダビデの子アブシャロムが父王のことを悪く言いふらしたために、国民の多くがダビデに反感を持つようになりました。パウロが第3次伝道旅行の後にエルサレムにいたとき、反対者たちが、パウロが神殿に外国人を連れ込んだと偽って、悪く言いふらしたために、暴動が起こり、パウロが殺されそうになりました。キリストが逮捕され、裁判にかけられたとき、ピラトが彼には罪がないと言っているのに、反対者たちが人々に悪く言いふらしたために、人々はキリストを悪人のように思い、「十字架につけろ」と叫びました。誠実な人でも言葉巧みに悪く言いふらすと、意地汚い悪人のように思えてくるものです。

私たちも、だれかが悪く言いふらすのを聞くと、すぐに、そうかと思ってしまいます。そして、誠実な人を貪欲で意地汚い人のように思ってしまうのです。ですから、気をつけなければなりません。人々の言葉によって軽率に判断しないようにしましょう。本人からよく話を聞くことが大切だと思います。そして、神が見ておられるようにその人を見ることができればと思います。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成