2023年5月18日(木)

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聖書一日一章    民数記 14章

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その地の人々を恐れてはならない。(9節)

イスラエルの民は、パレスチナの南端まで来、偵察隊を派遣しましたが、彼らは、その地が牧畜に適し、果樹が多いこと、住民は強く、町々は城壁を持ち、攻略は困難であることを報告しました。カレブとヨシュアは信仰に立って、必ずできると、人々を励ましましたが、ほかの人たちは、悪く言いふらしたので、人々は絶望し、モーセに不信感を抱き、エジプトに帰ろうとまで言いました。そのため、神は「この民はいつまでわたしを侮るのか」と言って怒り、モーセのとりなしによって赦されたものの、不信仰な人々は荒野で40年間放浪し死ぬ、子どもたちだけがその地に入ると宣言されました。

さて、絶望した人々は、3節のように言いました。「なぜ主は、われわれをこの地に導いて来て、剣に倒れるようにされるのか。エジプトに帰るほうが、われわれにとって良くはないか。」エジプトでは、王に厳しく支配され、自由がなく、苦役を強いられ、差別され、男の子が生まれたなら殺せとまで命令されていたのに、ここでは、エジプトのほうが良かった、エジプトに帰ろうとまで言うのです。その時、それだけ厳しい状況にあったからです。強い民と、びくともしない城壁の町々を前にして、自分たちはわずかの武器しか持っていないのです。常識的に考えると、とても攻略に成功する可能性はありません。かと言って戻ることもできず、ほかの所に行くこともできません。しかし、神の約束と神の力には、そんな厳しい状況を乗り越えて成功する可能性がありました。いや、可能性どころか、事実、エジプトを出て以来、そのように勝ち進んできたのですから、十分な根拠があったのです。

イスラエルの民が新しい地に新しい国を建てるには、そのような厳しい状況を乗り越えなければなりませんでした。私たちも、身動きの取れない所から出て、自由に生きれる所に行くには、あるいは、いろいろな問題を解決して良いことを実現するには、とても無理だと思う状況に直面することが必ずあります。多くの人はそれを恐れ、現状維持を選びます。しかし、とても無理だと思う状況も、神の力によっては乗り越えることができるのです。キリストを信じる者には、神が味方し、その力を働かせてくださるのです。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成