2023年6月14日(水)
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聖書一日一章 申命記 5章
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あなたと同じように休むことができる。(14節)
死ぬ日の近いモーセが最後にした2つ目の説教です。ここでは、シナイ山で、神と契約を結んだときのことを思い出して語っています。神が火と雲の中から語り、乳と蜜の流れる地を所有させ、永久に幸せにすることを約束し、条件として十戒を命じられ、人々が守ることを誓って、契約が成立しました。
さて、十戒の第4戒は安息日の戒めですが、神は14節で次のように言われます。「あなたはいかなる仕事もしてはならない。そうすれば、あなたの男奴隷や女奴隷が、あなたと同じように休むことができる。あなたは自分がエジプトの地で奴隷であったことを覚えていなければならない。」これによると、安息日は、エジプトで奴隷だったイスラエル人が解放され、自由人になったことの象徴でした。同時に、イスラエルでは奴隷でさえ定期的に休むことができ、自由人の待遇であることを表していました。つまり、自由と人権尊重の誇らしい象徴だったのです。「いかなる仕事もしてはならない」と、縛るような言い方ですが、目的は反対に解放でした。ちょうど、日本の、労働者の人権を守る労働基準法が、休日に関して、「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない。違反する者は六箇月以下の懲役とする」と、いかめしく定めているのと同じです。
そのように安息日の戒めが、自由と人権尊重の象徴だとすれば、それはキリストによって完全に実現したと言えます。キリストは、ルカの福音書4章18節で言われるように、「虐げられている者を自由の身にするために」神から遣わされてこられました。ご自身がヨハネの福音書8章32節で言われるように、ご自身の真理の言葉によって人を自由にされます。また、パウロがコリント人への手紙第二3章17節で、「主の御霊のおられるところには自由があります」と言うように、私たちを聖霊によって自由にされます。さらに、ヨハネがその手紙第一3章1節で、「事実、私たちは神の子どもです」と断言するように、キリストを信じる私たちはみな、自由な神の子どもなのです。
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