聖書一日一章　　　　申命記 ６章

あなたが建てたのではない、大きくてすばらしい町々を

与えてくださる。(１０節)

死ぬ日の近いモーセが最後にした２つ目の説教です。ここでは、まず、４節で、「聞け、イスラエルよ。主は私たちの神、主は唯一である。あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」と言います。これは、極端に言うと、旧約聖書には多くの戒めや規定があっても、これだけを守っていれば良いというような命令です。ですから、７節で、「これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家で座っているときも道を歩くときも、寝るときも起きるときも、これを彼らに語りなさい」と言います。キリストが働かれたのは、このためだと言っても言い過ぎにはならないでしょう。というのは、キリストは、人々が唯一の神を知り、心から愛するために宣教され、それを妨げている最大の要因である人間の罪を取り除くために、その罪をすべて負って十字架で死なれたのです。

さらに、唯一の神を知って、心から愛すると、唯一の神は恵み深い方ですから、行いや働きによってではなく、恵みによって良くしてくださいます。１０節と１１節で言います。「あなたの神は、父祖に誓われた地にあなたを導き入れ、あなたが建てたのではない、大きくてすばらしい町々、あなたが満たしたのではない、あらゆる良い物で満ちた家々、あなたが掘ったのではない堀り井戸、あなたが植えたのではない、ぶどう畑とオリーブ畑、これらを与えてくださる。」私たちはキリストによって、唯一の神を知り、だんだん愛するようになってきました。そして、神を信じて歩んでいくと、自分の力ではとても得られないような良いものを与えられることを経験しました。唯一の神は、ほんとうに恵みの神です。

唯一の神が与えてくださる良いものの中でも最高のものは、永遠のいのちでしょう。私たちは永遠のいのちを与えられていて、死んだ後、復活し、すばらしい世界に入ることを信じていますが、それは私たちの行いや忠実さによるものでも、ふさわしいものでもありません。それは恵み深い神が恵みによって与えてくださる分不相応な賜物です。

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