聖書一日一章　　　　申命記 １３章

その預言者、夢見る者のことばに聞き従ってはならない。(３節)

モーセはここでは、預言者が現れ、ほかの神々を礼拝するように誘っても、たとえ奇跡を行っても、聞き従ってはならない、また、肉親のだれかが誘っても耳を貸してはならない、その者を殺さなければならないと言います。また、ある町全体が惑わされた場合、その町を徹底的に滅ぼさなければならないと言います。「殺さなければならない」とか「滅ぼさなければならない」とか、聞きづらい表現が多いですが、これは個人的な戒めではなく、国家的なことで、放っておくと国が滅ぶことなので、そんなに厳しいのでしょう。

ですから、このことは、私たちに直接関係しません。しかし、ほかの神々を礼拝するように誘う背後には、悪魔が働いていたでしょうし、同じ悪魔は私たちにも働いていますので、警戒しなければならないことは同じです。もちろん、クリスチャンは、キリストの「敵をも愛しなさい」の教えによって、どんなに敵対し、教会を攻撃し、ほかの神々に誘うような人でも、愛をもって接するでしょう。それでも、警戒しなければならないことは同じです。

ヨハネもその第一の手紙で、反キリストを警戒するように注意しています。「今や多くの反キリストが現れています。彼らは私たちの中から出て行きましたが、もともと私たちの仲間ではなかったのです。」（２：１８－１９）「霊をすべて信じてはいけません。偽預言者がたくさん世に出て来たので、その霊が神からのものかどうか、吟味しなさい。」（４：１１）

しかし、ヨハネの言葉にはかなりの余裕が感じられます。それは、キリストがすでに悪魔に勝利されたからであり、全能の力を持つ聖霊が信じる一人一人に注がれているからでしょう。「あなたがたには聖なる方からの注ぎの油があるので、みな真理を知っています。」（２：２０）「神から生まれた者はだれも、罪を犯しません。その人は神から生まれたので、罪を犯すことができないのです。」（３：９）「あなたがたは神から出た者であり、彼らに勝ちました。あなたがたのうちにおられる方は、この世にいる者よりも偉大だからです。」（４：４）

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