2023年6月24日(土)

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聖書一日一章    申命記 15章

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貧しい人が国のうちから絶えることはないであろう。(11節)

モーセはここでは、同胞に対して、7年の終わりごとに負債を免除するように、奴隷は、7年目に解放するようにと命じます。この制度は、生活に困り、借金をして返せない人や身を売って奴隷になった人には、実にありがたい救済制度でした。旧約のイスラエルには、これに加えて、レビ記25章で定められているヨベルの年の制度がありました。50年毎のヨベルの年には、すべての負債が帳消しになり、すべての奴隷は解放され、売った土地は無償で返ってくるのです。旧約のイスラエルの社会は、大昔なのに、もうすでにセーフティーネットがあったのです。神の知恵に感心します。

とはいえ、貧しい人がなければ、負債を免除することも、奴隷を解放することも、必要ありません。しかし、モーセは11節で「貧しい人が国のうちから絶えることはないであろう」と、あきらめたように言います。それがこの世の悲しい現実です。モーセの時代から現在に至るまで、貧困の問題がなくなることはありませんでした。貧困は、アダムとエバが罪を犯した直後に、神が、「あなたは一生の間、苦しんで食を得ることになる」と宣言されて生じたことですので、人間に罪がある限り、なくなることはないでしょう。

しかし、同時に、キリストが人類の罪を贖われたので、キリストを信じる人は完全に赦され、罪から解放されたのですから、貧困からも解放されるのではないかと思います。パウロはピリピ人への手紙4章11節で言います。「私はどんな境遇にあっても満足することを学びました。富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。」パウロは信仰によって貧困を克服していました。さらに、キリストを信じる人々の交わりの中では、貧困が実際的に解決されるのではないかと思います。使徒の働き4章32節には次のようにあります。「人々は心と思いを一つにして、だれ一人自分が所有しているものを自分のものと言わず、すべて共有にしていた。(そのため)彼らの中には、一人も乏しい者がいなかった。」もっともこれは聖霊の働きによってそうなったのであって、クリスチャンが道徳心でしたことではありません。聖霊の働きによってだけ実現することだと思います。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成