2023年7月8日(土)
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聖書一日一章 申命記 29章
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上着はすり切れなかった。(5節)
死ぬ日の近いモーセがヨルダン川の東側の草原でした4つ目の説教です。モーセは、エジプトを出てからの40年間を振り返って、民に神のみわざと恵みを思い起こさせ、シナイ山で神と契約を結んだが、40年経って、そのときの大人たちがみな死に絶えたので、その契約を更新しようとしていることを伝え、心を備えさせます。
ところで、モーセは5節で、「私は四十年の間、荒野であなたがたを導いたが、あなたがたが身に着けている上着はすり切れず、その履き物もすり切れなかった」と言います。この言葉は神の超自然的な支えを表しています。荒野での40年間、収穫は皆無だったのに、神が天から降らせられたマナを食べ、服や履き物は擦り切れることから守られ、生きることができました。
とはいえ、その40年は、荒野という同じような景色の場所で毎日ほとんど何もせずに過ごし、いのちは守られていても、我慢できないぐらい退屈な日々だったのではないかと思います。考えてみると、エジプトを出てシナイ山に行き、そこに滞在し、出発し、パレスチナの国境に行くまで、多くの劇的な奇跡を経験し、神から多くの言葉を受け、幕屋を作り、戦いの準備をしましたが、すべて1年ほどの間のことです。それから40年弱、何の記すべきこともなく過ぎました。北上し、2つの王国を滅ぼし、広大な地域を占領しましたが、それも1年ほどの間のことです。時間は同じ速度で進みますが、物事は同じ速度で起こるわけではありません。いろいろなことが目まぐるしく起こることもあれば、いつまでこんな日が続くのかと思うほど何もない日が続くことがあります。また、忘れたころに矢継早にいろいろなことが起こることがあります。
ある願いのために祈っているときに、その何の変化もない日々にさしかかるかもしれません。すると、祈っても祈っても、いくら待っても何も起こらないというようなことになります。それはつらい時期です。しかし、矢継早にいろいろなことが実現する時も来ると思います。
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