聖書一日一章　　　　ヨシュア記 １７章

あなたは数の多い民で大きな力がある。(１７節)

ヨシュアは晩年、神の命により、パレスチナ全土を各部族に割り当てる作業をしましたが、ここでは、マナセ族に割り当てられた地域の範囲を示しています。マナセ族はヨルダン川の東側と西側に２つの地域を割り当てられました。１節は、そんな特別扱いを受けた理由を説明しています。イスラエルの民がヨルダン川の東側に来たときに、北のほうのバシャン地方の王が攻めてきたので、戦い、撃破してその地を占領したのですが、マナセ族のマキルという戦士の手柄だったようです。そこは神が約束された地に含まれていなかったので、神が約束された地の割り当てとは無関係に、マキルとその子孫に与えられたのでしょう。ヨルダン川の西側に、神が約束された割り当てを受けたので、結果として２つ分の割り当てを受けることになりました。ツェロフハデという人の娘たちは、民数記２７章で、自分たちの権利を主張して認められていましたが、ここでその割り当てを受けました。

さて、１４節では、「ヨセフ族」がヨシュアに苦情を言っています。「ヨセフ族」というのは、エフライム族とマナセ族をひとまとめにして呼んだものですが、２つの部族はヤコブの子のヨセフの子孫で、ヤコブの養子という形で１２部族に加えられたので、関係が深かったからです。彼らは、自分たちは人口が多いので、割り当てられた地域では狭すぎると苦情を言ってきました。説明したように、マナセ族はほかの部族の２つ分の割り当てを受けていて、十分割り当てられていたのにです。彼らの地域には、先住民族が残っていて、未占領地が多かったのでしょう。そこで、ヨシュアは彼らに、もっと多くを求めるより、占領できていない地を占領するようにと言いました。しかし、彼らは、山地の森にはレファイム人という強い民が住んでいるし、平地の民は鉄の戦車を持っていると、できない理由を並べました。それに対しヨシュアは、「あなたは数の多い民で大きな力がある。森を切り開き、鉄の戦車を追い払いなさい」と言いました。人口が多いことで困っているが、人口が多いことは力であり、神の恵みだから、それを用いて占領するように言うのです。私たちも自分の弱さや不利な点を並べることが多いですが、主が与えてくださっているものを感謝して用いましょう。

テレフォンのお分かち　TEL ０７２－２５５－０９４４   鷹取 裕成