2023年8月10日(木)

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聖書一日一章    士師記 4章

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主は剣の刃をもって混乱させられた。(15節)

イスラエルの民は、パレスチナを征服し、定住しましたが、その後、周辺の諸民族にしばしば侵略され、部分的に支配されます。ここでは、イスラエルの北のハツォルという所で勢力を持ったカナン人の王ヤビンに侵略され、支配されます。ヤビンには、シセラという有能な将軍がいた上に、強力な戦車部隊がありました。神が彼らの支配から解放するために用いられたのは、女預言者デボラでした。デボラはバラクという勇士を呼び寄せ、1万人を集めてある山に陣を敷くように命じました。バラクがそうすると、敵の将軍シセラが戦車部隊を率いて攻めて来ましたが、バラクは神の力によって打ち負かしました。将軍シセラは逃げ、彼と同じ民族でよく知っているヤエルという女性にかくまってもらいましたが、ヤエルはイスラエルに寝返り、熟睡しているシセラのこめかみを天幕の鉄のくいで打ち抜いて殺しました。

さて、15節には、「主はシセラとそのすべての戦車とすべての陣営の者を、剣の刃をもってバラクの前で混乱させられた」とあります。ここで、敵軍を混乱させた「剣の刃」とは何でしょうか。イスラエル軍の剣の刃ではありません。彼らの前で、何かが敵軍を混乱させたのです。次の章にはこの戦いの様子が歌として歌われていますが、そこには、川があふれたとあるので、戦いのさ中に大雨が降ったのでしょう。おそらく雷も激しく落ちたのでしょう。すると、この「剣の刃」は稲妻のきらめきではないかと思います。武装した戦車部隊にとって、稲妻はとくに落ちやすく、危険きわまりないので、あわてたのではないでしょうか。神はそのような、人のものではない「剣の刃」によって、敵軍を混乱させ、イスラエルに勝利をもたらされました。

私たちも八方塞がりで困っているときに、祈っていると、予想外のことが起こり、事態が思わぬ方向に行き、二転三転して、結果としてはうまく行ったというようなことがあります。それも神の「剣の刃」でしょう。八方塞がりでどうしようもないときに、すべてを神にゆだね、神の「剣の刃」に期待しましょう。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成