2023年9月18日(月)

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聖書一日一章    サムエル記第一 18章

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ダビデは兵の先に立って行動した。(13節)

羊飼いの少年ダビデは、神によって、神に従わずに退けられたサウル王の代わりに、王として選ばれましたが、ペリシテ人との戦争で、大男のゴリヤテとの一騎討ちに挑戦し、倒し、一躍、国民の英雄となりました。そして、サウルに召しかかえられ、部隊の長に任命され、戦うごとに勝利しました。しかし、女たちが「サウルは千を討ち、ダビデは万を討った」と歌ったので、サウルは、ダビデが自分より人望があることに気づき、王位を脅かす者と見るようになりました。そのため、槍を投げつけたり、娘ミカルとの結婚の条件に敵の兵百人の命を要求し、死なせようとしたりしましたが、ダビデはかえって戦果をあげ、その人望はますます高まるのでした。

さて、13節には、ダビデは千人隊長に任命されたとき、「兵の先に立って行動した」とあります。千人隊長と言えば、近代の軍隊では連隊長に当たります。連隊長は、後方の陣営から配下のいくつかの部隊が戦うのを見ながら指揮するのがふつうです。敵兵と直接戦うことはまずありません。それなのにダビデは部隊の先頭に立って突撃したのです。それは、ダビデの勇気と、自ら一番危険な役目を担おうという自己犠牲的な精神を表しています。ダビデの部下たちはどれほど勇気づけられ、彼を敬愛し信頼したことでしょうか。

しかし、指揮官はただでさえ敵の攻撃の的になるのに、先頭に立てば、集中攻撃にあうのは確実で、自殺行為ではないでしょうか。ダビデには、ゴリアテと戦った時の神への信頼、「この戦いは主の戦いだ。主は、おまえたちをわれわれの手に渡される」という信頼がいつもあったのでしょう。

ところで、先頭に立って戦うダビデの姿は、キリストの姿を彷彿とさせます。キリストは人類を罪から解放するために、弟子たちを使うのではなく、一人で悪魔とその配下の人たちに向かっていかれ、命を顧みず、自らを敵の手にゆだね、十字架につけられ、死なれました。それによって、私たちみんなが救われる道を開かれました。キリストは、私たちみんなのために、先頭に立って戦ってくださったのです。

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