2023年10月8日(日)

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聖書一日一章    サムエル記第二 7章

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あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。(16節)

ダビデは聖なる契約の箱をエルサレムに移しましたが、それについて、預言者ナタンに相談しました。自分が杉材の立派な王宮に住んでいるのに、神が臨在される契約の箱が天幕では申し訳ない、ふさわしい建物を建てましょうと。ナタンも同感でしたが、その夜、神から言葉を受けました。ご自身は建物を求めていないこと、反対に、ダビデのために国という建物を建て、永遠に続かせることでした。ダビデは感激し、感謝の祈りをささげました。

さて、このダビデへの言葉は、キリストの預言としてよく引用されます。しかし、今回この言葉を何度も読んで、遠い未来の預言ではなく、ダビデの王権についての約束だと思いました。12節の「あなたの身から出る世継ぎの子」は、遠い未来に生まれる救い主ではなく、ダビデの王位を継承する子孫のことでしょう。13節の「彼の王国の王座をとこしえまでも堅く立てる」というのは、ダビデの子孫が集団として、つまり代々王権を継承していって、永遠に続くということでしょう。そうすれば、16節のように「あなたの(つまりダビデの)王座はとこしえまでも堅く立つ」ことになります。もしキリストのことを指しているのなら、14節の「彼が不義を行ったときは、懲らしめる」というのは、おかしいでしょう。それに、ダビデはそんな未来のことを求めていたわけではなく、また、未来のことを言われてもわからなかったでしょう。むしろ、彼は、自分は王として神に選ばれていても、子孫が選ばれているのか、つまり、子孫が王位を継承していけるのか知りたかったのです。ほかの国はそうであっても、神のみ心は違うかもしれません。そんな彼に対し、神は、彼の子孫が代々王となり、永遠に続くと言われたのです。

この言葉はダビデに対してとても温かい言葉です。愛にあふれています。それは私たちへの愛でもあります。しかし、現実のイスラエルの歴史では、あるいは現実の私たちの生活では、苦難が多いです。それは、不義を行ったときは、懲らしめるということが多いからです。しかし、ダビデへの愛の約束は、キリストと永遠の神の国によってその通りになりました。私たちの経験するすべてのことは、永遠のいのちと祝福の約束の実現のためです。

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