2023年10月14日(土)

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聖書一日一章    サムエル記第二 13章

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事の一部始終を聞いて激しく怒った。(21節)

ダビデがバテ・シェバと姦淫を行い、悔い改め、姦淫によってできた子は死んだものの、二人目に生まれたソロモンはすくすくと育っていました。そのころ、ダビデの長男アムノンは、腹違いの妹タマルに恋をし、会いたいのに、宮廷では自由に会えず、悩んでいたところ、よこしまな友人から、仮病を使って見舞いに来させよとの悪知恵をつけられました。その通りにして、タマルが見舞いに来たとき、彼女を辱めました。そればかりか、ことの後で、嫌なものをつまみ出すかのように追い出すという侮辱を行い、彼女の心をずたずたにしてしまいました。激しく怒ったのは、同じ母の兄アブサロムでした。2年後、彼は宴会に兄弟たちを招き、家来たちにアムノンを討たせました。

さて、ダビデの家庭内で悲劇が起こりました。アムノンがタマルを辱めたのは、自分の欲望のためには他の人を顧みない性質と、いかにも彼にふさわしい悪い友のせいで、どうしようもありません。しかし、アブサロムの怒りは妹への同情からの正しい怒りですから、最悪の結果にならないように何とかできなかったのでしょうか。そのことで、21節に、「ダビデ王は、事の一部始終を聞いて激しく怒った」とありますが、そのあと何もしていません。この対応が悪かったと思います。無関係な第三者なら、怒って共感することしかできませんが、ダビデは、親であり、国のすべての人を治める王であり、当時の王は裁判官でもあったのですから、アムノンを厳正に処罰すべきでした。だれかがひどいことをしたときに、責任者なのに知らん顔をする人があります。そこまで無責任でなくても、けしからんと言って怒るが、何もしない人が多いように思います。そうすると、問題は大きくなっていくものです。

その点、神は、だれかがひどいことをするときに、とくに、小さく弱い者を苦しめるときに、激しく怒られます。そして、すべての人のさばき主として、その人を厳正にさばかれます。私たちは、そのさばきがあるから、理不尽なことをされても、神が正しくさばいてくださると、ゆだねて安心なのです。しかし、神は同時に、さばく対象の悪い人にも、キリストによって、悔い改め、赦される道を備えられます。私たちもその道によって赦されたのです。

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