聖書一日一章　　　　サムエル記第二 １８章

あなたは私たちの一万人に当たります。(３節)

ダビデ王の三男アブサロムが謀反を起こし、ダビデはすぐに家族と手勢を連れて逃げ、その夜の間にヨルダン川を渡り、マナハイムという町に着きました。アブサロムは軍を率いて追跡して来、ヨルダン川を渡って来ましたが、その間にダビデは配下の兵たちを編成し、反撃しました。ダビデの軍はアブサロムの軍を打ち負かし、アブサロムはらばに乗って逃げ、頭が木の枝に引っかかり宙づりになり、将軍ヨアブが刺し殺しました。そのことを知ったダビデは、「わが子よ。わが子よ」と言って泣きくずれました。

さて、反撃しようとしていたとき、ダビデは自分もいっしょに戦うつもりでしたが、兵たちは思いとどまらせようとして言いました。「あなたは私たちの一万人に当たります」、自分たちが死んでも、敵は何とも思わないが、ダビデが死ねば、敵は勢いづき、自分たちは意気消沈し、負けてしまいますと。たしかに、ダビデは、指導力、実績、人々からの尊敬、影響力から言って、兵たちの１万人に匹敵しました。しかし、一人が大勢に匹敵するということでは、私たちの主には比べものになりません。キリストはすべての人の身代わりになられたのですから。今までにこの世に生まれた人の総数は、１千億人ぐらいだと言われますが、キリストは少なくともその数以上の人に匹敵されるはずです。こんなことは神の子でなければありえないことです。神の子なので、匹敵する数に際限がなく、無限の重みを持っておられるのです。

キリストが一人で数え切れない人々に匹敵するということを、身近に感じることがあります。伝道していて思うことは、それが難しいということです。さかんに宣伝し、活発に講演会や音楽会や教室やレクレーションやいろいろな活動をすれば、ある程度の人数は集めることができるでしょう。しかし、参加することと、人生をゆだねるということの間には、大きな距離があります。私たちの活動では、とても人生をゆだねるというところまで行きません。人生を神にゆだねて歩んでいるクリスチャンを見ると、みな、キリストに魅了されていることに気がつきます。いわばキリストおひとりで、世界中の数えきれない人々を引きつけ、集め、救っておられるのです。

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