2023年10月30日(月)
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聖書一日一章 列王記第一 5章
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ソロモンは、これだけの物を毎年ヒラムに与えた。(11節)
ソロモン王は、父ダビデの遺志だった神殿を建てようと思い立ちました。ちょうどそのころ、ツロという町の王ヒラムがソロモンの即位の祝いに使者を送ってきました。ツロは、イスラエルの北の地中海岸の港町で、貿易で栄え、レバノン地域を支配していました。ヒラムとは、ダビデ時代から友好な関係を持っていました。ソロモンは木材を求め、ヒラムはその見返りに食料を求め、取り引きが成立しました。
さて、12節には、「ヒラムとソロモンとの間には平和が保たれた」とあります。平和が保たれたのはすばらしいことです。しかし、その平和は何の労もなしに実現したのではありません。10節には、「ヒラムは、ソロモンに杉の木材ともみの木材を、彼に望むだけ与えた」とあります。それに対し、11節には、「ソロモンはヒラムに、小麦二万コルと上質のオリーブ油二十コルを、毎年ヒラムに与えた」とあります。レバノンに木が多いと言っても、王と国民にとっては貴重な資源です。それを望むだけ与えるというのは、すごく気前のよいことです。また、ソロモンと民にとって、小麦2万コル、10㎏の袋4万袋を与えるというのは、かなり気前のいいことです。どの国にも利害があり、利害が対立することがあり、どちらも譲らないと戦争になります。平和を保つためには両者が気前よく譲ることが必要だと思いました。
キリストはマタイの福音書5章で弟子たちに言われました。「悪い者に手向かってはなりません。あなたを告訴して下着を取ろうとする者には、上着も取らせなさい。求める者には与えなさい。」「悪い者」とはどんな人のことなのか、よくわかりませんが、ここでは、自分の利益だけを求め、相手のことを考えない人としておきましょう。そういう人がいること自体残念なことですが、対抗して自分の利益を主張すると、正当な主張であっても、ぶつかりけんかになります。平和を保つためには、気前よく与えることが必要です。しかし、私たちはそんなことはとてもできません。乏しいからです。気前よく与えるためには、無限に豊かな神に豊かに与えていただかなくてはなりません。気前よく与えられて、気前よく与えることができるのです。
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