2023年11月4日(土)

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聖書一日一章    列王記第一 10章

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銀は価値あるものとはみなされていなかった。(21節)

ソロモン王が神殿と王宮を建て終えたころ、「シェバ」という国の女王が彼の知恵のうわさを聞いて訪ねてきました。「シェバ」はアラビア半島の南端辺りとされています。女王はその知恵がどれほどなのかを試そうと、難問を用意してきましたが、ソロモンはそのすべてを解き明かしました。さらに、王宮と出された料理、給仕たちの態度と服装、神殿での儀式を見て、息も止まるばかりでした。それで、「私が聞き及んでいたことは、本当でした。うわさより、はるかにまさっています」と言いました。キリストはマタイの福音書12章42節で、「南の女王はソロモンの知恵を聞くために地の果てから来ました」と言って、その探求心と熱心をほめ、「ここにソロモンにまさるものがあります」と言って、ご自分の知恵を求めるように促されました。

さて、21節には、「銀は、ソロモンの時代には価値あるものとは見なされていなかった」とあります。銀は金に比べれば価値が低いですが、それでも昔から貨幣や高級な器に使われて、高価なものに違いありません。それなのに、価値あるものとは見なされなかったのは、余るほどあったからです。人は、余るほど豊かにあると、その価値を意識しなくなるものです。アルミニウムが19世紀半ばに製錬できた当初は、希少で、金よりも高価でしたが、今では安価な金属です。マツタケは秋の味覚の王様と言われ、1本1万円ぐらいしますが、大正時代にはシイタケよりも安かったそうです。

本当は人間にとって価値あるものでも、余るほど豊かにあるのでその価値に気づかないことがあるのではないでしょうか。水がそうでしょう。水は人間にとって一番大事なものですが、日本では水が豊かにあるので、その貴重さを感じません。聖書には、水がなくなって困った話がよく出てきますが、それと比べると、水が豊かにあることがどれほど幸いかを思わされます。神が水を豊かに与えてくださっていることに感謝しましょう。愛情もそうでしょう。愛情は人間が一番求めているものですが、愛情を豊かに受けている人は、それを普通と思って、その幸いに気づかないことがあります。愛情を豊かに受けているなら、それは神の大きな恵みです。感謝しましょう。

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