2023年11月6日(月)

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聖書一日一章    列王記第一 12章

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彼らはいつまでもあなたのしもべとなるでしょう。(7節)

ソロモン王が死に、子のレハブアムが王位を継ぎましたが、全部族の代表者たちの前で王として認められるために、パレスチナ中央部のシェケムという町に行きました。すると、人々は、過酷な労役を軽減してくれるように求めてきましたが、レハブアムは、長老たちの、聞いてやるようにとの助言を無視し、取り巻きの若者たちの、厳しく当たれとの言葉に従いました。その態度に、身内のユダ以外の部族の代表者たちは、自分たちの声に耳を貸さないと見てとり、エジプトに亡命していたヤロブアムを王に立てて、離反しました。レハブアムは彼らを取り戻すために戦おうとしましたが、預言者に諫められ、すなおに聞き入れました。こうして国は南北に分裂してしまいました。

さて、7節のように、長老たちは、「今日、もしあなたがこの民のしもべとなって彼らに仕えるなら、彼らはいつまでも、あなたのしもべとなるでしょう」と助言しました。長老たちは長い人生経験から、人の心の機微をよくわかっていました。上に立つ者が、権威を振りかざし、従わせようとし、従わない者を懲らしめるというやり方では、人はついて来ません。かえって、下の者によく気を配り、言い分をよく聞き、親切に世話をするなら、下の者は慕い、尊敬し、自分から仕えようとするでしょう。ただ残念なことに、上に立つ人でそんな良い人はほとんどいません。人は上に立つと、威張ったり、わがままになったりすることが多く、多くの人は仕方なく従っているのではないでしょうか。その点、キリストは、王であられるのに、ご自身がマルコの福音書10章で、「人の子は仕えられるためではなく仕えるために来た」と言われたように、人々に仕えられました。今も仕えておられます。キリストがそうしてくださったので、私たちは心から喜んでキリストに仕えようと思いますし、仕えていますし、これからもずっと仕えたいと思うのです。それにしても、上の者がしもべとなって仕えるなら、下の者はいつまでもしもべとなるという真理は、不思議で逆説的な真理です。それは、上下の関係だけでなく、同等の関係でも言えます。要求せず、親切にするなら、親切にしてくれるということです。この真理は、逆説的なので、人はなかなか気づきませんが、人と仲良く平和に暮らすための宝の真理だと思います。

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