2023年11月16日(木)
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聖書一日一章 列王記第一 22章
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もう一人、主に伺うことのできる者がいます。(8節)
イスラエル北部のイスラエル王国のアハブ王は、その北のアラムと戦おうとし、たまたま訪れたユダ王国のヨシャファテ王を、戦いに誘いました。ヨシャファテは応じたものの、不安で、神のみ心を伺おうと提案しました。4百人の預言者が戦うように勧めましたが、嘘っぽく感じたのか、ほかの預言者を求め、ミカヤが呼ばれました。ミカヤは、イスラエル軍が敗れ、散らされている幻を見たと言い、ある霊が預言者たちを惑わしたと言いました。アハブはヨシャファテとともに出陣し、変装して行きましたが、流れ矢がなんと胸当てと草摺の間を射抜いたので、死に、ミカヤの預言通りになりました。
さて、4百人の預言者は、神が勝利を与えられると言い、ミカヤだけは、敗れて散々になると言いました。人数から言って4百人のほうが重みがあり、だれもが信用したくなるでしょう。しかし、ミカヤが正しかったのです。それは、真理が人数と無関係であることを教えています。どの時代、どの国にも、オピニオン・リーダーがいて、大衆が、何が正しいか、何をするのがよいかを考える上で、支配的な影響を与えています。最近では、インフルエンサーと呼ばれる人々が出ています。そういうオピニオン・リーダーが口をそろえてある考えを唱えるなら、だれもがそれを正しいと思い、それ以外の考えはすべて間違っているような雰囲気になるものです。そのため反対する人は変人のように思われます。クリスチャンは、神の言葉に従って考え、世の考えに合わせないので、世間から浮いてしまうことが少なくありません。たとえば、太平洋戦争前には、日本のオピニオン・リーダーはみな戦争をあおっていました。また、私が大学に入学したとき、ちょうど大学紛争のまっ最中で、学生はみな全共闘的な考えに染まっていました。そんな中で、神や罪やキリストの救いを話すのは、まったく場違いでした。ミカヤの「ある霊が預言者たちの口で偽りを言う霊となった」という言葉は、その時代のオピニオン・リーダーたちの考えが同じになっていく傾向の背後に悪魔が働いていることを示しています。パウロはエペソ人への手紙2章1節で、そういう傾向を「この世の流れ」と呼び、「空中の権威を持つ支配者」によるものだと言います。キリストの言葉と聖霊にしがみついていきましょう。
テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944 鷹取 裕成