2023年12月13日(水)

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聖書一日一章    歴代誌第一 2章

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シェシャンは彼の娘をそのしもべヤルハに妻として与えた。(35節)

歴代誌の初めの数章は系図ばかりですが、それはこの書がバビロン捕囚以後に書かれた書で、各地に散らされた人々にとって、系図はイスラエル人であることの証明、信仰的には、神の民であることの保証だからです。1章の、アダムからイスラエル人の先祖アブラハム、イサク、ヤコブまでの系図に続いて、ここではヤコブの四男ユダの子孫、ユダ部族の系図を記しています。

さて、34節には、「シェシャンにはエジプト人のしもべがいて、その名はヤルハといった。シェシャンは彼の娘をそのしもべヤルハに妻として与えたので、彼女はアタイを産んだ」とあります。シェシャンという人には息子がなかったので、娘をエジプト人のしもべヤルハに妻として与え、二人からアタイが生まれ、ずっと子孫が続いていきます。その何代目かの子孫にアザルヤという人が出ます。この人は、歴代誌第二23章1節に名が出てきますが、バアル崇拝者で独裁者のアタルヤから国を奪い返したエホヤダのために命をかけて協力した百人隊長です。そんな神に用いられる人も出ます。

シェシャンの娘をめとったヤルハという人は、エジプト人であり、しもべであり、二重の意味でイスラエルの市民権、神の民の市民権を持たない人でした。しかし、神の民の市民権を与えられ、完全に神の民となり、神の民を多く生み出しました。この境遇は私たち異邦人クリスチャンに通ずると思いました。パウロはエペソ人への手紙2章11節で言います。「あなたがたはかつて、肉において異邦人でした。そのころは、キリストから遠く離れ、イスラエルの民から除外され、約束の契約については他国人で、この世にあって望みもなく、神もない者たちでした。しかし、今では、キリストの血によって近い者になりました。」外国人がその国の市民権を持つのは大変なことです。たとえ市民権を得たとしても、元からの市民と同等には扱われず、二級市民のような扱いを受けることが多いです。それなのに、異邦人だった私たちは、神の国の市民権を何の苦労もなく与えられ、今や完全に神の民であり、何の差別もありません。これはすべてキリストの尊い血によることです。

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