2023年12月16日(土)

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聖書一日一章    歴代誌第一 5章

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君たる者もそこから出た。(2節)

イスラエルの民の中でヨルダン川の東側に住んだ3つの部族、ルベン、ガド、マナセの系図です。1節には、「ルベンは長子であったが、父の寝床を汚したことにより、その権利はイスラエルの子ヨセフに与えられた」とあります。ルベンはヤコブの長子なので、本来なら彼とその子孫がイスラエルの民の代表の権利を与えられるはずですが、与えられなかったというのです。その理由は「父の寝床を汚した」、つまり創世記35章22節に記されている「父の側女ビルハのところに行って、彼女と寝た」ことのためです。父の側女と寝ることは大変ふしだらなことで、感情や欲望に流されてそんなことをするルベンは、民の代表としてふさわしくないとみなされたのです。それでは、だれがふさわしいのか、兄弟の中で一番信仰深く、苦難を乗り越えて成功し、一家をききんから救ったヨセフだというのです。それでその権利はヨセフの子孫の部族に与えられたというのです。新しい神の民であるクリスチャンも含めて、神の民は神にみな同じように愛されていますが、代表とかリーダーとかになると、信仰の強さ、自制力、忍耐力などが求められると思います。

ところが、2節には、「ユダは彼の兄弟たちの間で勢いを増し、君たる者もそこから出た」とあります。たしかにユダ部族からダビデ王とその子孫の王たちが出ました。それでは、長子の権利を持つヨセフと、王が出るユダ、どちらがイスラエルの民のリーダーなのでしょうか。キリストが出られたユダ部族でしょうか。そうではありません。実は、キリストはユダの血を引いてはおられません。父のヨセフはユダ部族で、ダビデの子孫で、その子孫から救い主が出るという旧約聖書の預言通りですが、キリストがお生まれになったとき、マリアはヨセフとは結婚していなかったのですから、その血は引いておられないのです。そして、キリストがお生まれになってからは、神の民のリーダーはキリストご自身がなられるので、ヨセフでもユダでもありません。それどころか、キリストはイスラエルの民をも超えておられます。キリストはコリント人への手紙第一15章45節で「最後のアダム」と呼ばれているように、新しいアダムであり、新しい人類の始祖です。キリストから新しい人類が始まるのであり、私たちもキリストから始まる新しい人類の一人です。

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