2023年12月27日(水)

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聖書一日一章    歴代誌第一 16章

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アサフはシンバルを響かせた。(5節)

ダビデ王は、聖なる契約の箱をエルサレムに移し、その箱に臨在される神をほめたたえるために、レビ部族の中から歌唱や楽器の演奏に賜物のある人を選び、賛美部隊を編成し、毎日賛美させました。その隊長のアサフは詩篇にその名がよく出てきます。ここには、彼らが賛美した詩が記されています。

さて、ダビデは賛美部隊に、歌とともに、たて琴、シンバル、ラッパなどを使って賛美させました。私は、普通のこととしてここを読んでいたのですが、旧約聖書で、礼拝で楽器を使うのは、この時が初めてなのに気づきました。楽器は有史以前からありましたし、イスラエルでも生活の中で使われていたのでしょうが、賛美のために使ったという記事は、出エジプト記15章で、モーセの姉ミリアムがタンバリンを鳴らして神をほめたたえたというのだけです。次にそういう記事が出てくるのは、サムエル記第一10章で、預言者の一団がタンバリン、笛、たて琴などを鳴らしながら預言していたとあります。おそらく、その時代に預言者たちが預言や賛美に楽器を使うようになったのでしょう。ダビデもその流れで、たて琴を弾きながら預言や賛美をしていましたが、ここで、それを公の礼拝に取り入れたのでしょう。

私たちは賛美に楽器を使うのが普通だと思っていますが、そうではありません。賛美は本来、言葉で神をたたえるもので、言葉に節をつけたものが賛美の歌です。そして、賛美の歌を盛り上げるために補助的に楽器を使うのだと思います。ギリシャやロシアの正教会では、賛美に楽器は使わないそうです。賛美は祈りなので、楽器は要らないという考えだそうです。プロテスタントの教会の中でも、楽器を一切使わない主義の教会があります。楽器を使うと、意識が音楽のほうに行ってしまうという理由のようです。このことは私たちも気をつけなければならないことです。私たちが賛美の歌を歌うのは、自分ではうまく表現できない賛美の気持ちをうまく表現してくれているからですし、主への信頼や愛を引き出してくれるからです。その上で、楽器は、賛美の歌を歌うためにも、主への気持ちを増幅してくれるという意味でも、とても大きな助けであり、恵みです。

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