2024年2月15日(木)

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聖書一日一章    エズラ記 1章

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主はペルシアの王キュロスの霊を奮い立たせた。(1節)

ユダ王国は紀元前586年、バビロン帝国に滅ぼされ、エルサレムは廃墟となり、生き残った人々はバビロンに連れて行かれました。それから数十年、その間に、イランあたりからペルシア帝国が興り、バビロンを占領し、バビロン帝国を滅ぼしました。その直後、キュロス王は、捕囚のイスラエル人に次のような勅令を出しました。「天の神、主は、地のすべての王国を私にお与えくださった。この方がユダにあるエルサレムに、ご自分のために宮を建てるよう私を任命された。だれでも主の民に属する者は、ユダにあるエルサレムに上り、主の宮を建てるようにせよ。あとに残る者たちはみな、その者を支援するようにせよ。」これはまったく予想外のことでした。キュロス王は、帰国を許可しただけでなく、神殿を再建するように命じ、エルサレムの神殿から持って来た儀式用の器もすべて返してくれました。そこで、4万人あまりのイスラエル人が立ち上がり、神殿を再建しようと、帰国しました。

さて、神を信じていないキュロス王が、「神がすべての王国を私にお与えくださった」とか、「この方がご自分のために宮を建てるように私を任命された」とか、信じているような言い方をしているのは不思議です。1節に「主はキュロスの霊を奮い立たせられた」とありますが、そうとしか説明できません。聖霊は、まったく神を信じていない人の霊を奮い立たせ、一時的に、神を恐れさせたり、神の民に奉仕させたりされます。4世紀、ローマ帝国のコンスタンティヌス帝は急にキリスト教を認めました。また、日本では、明治政府は最初キリスト教を禁止していましたが、明治5年、急にキリスト教を認めました。西郷隆盛の意向が強かったと言われています。

しかし、それらは、神を信じない人の霊を一時的に奮い立たせられただけで、その人が神を信じ従うようになることはありませんでした。神を信じない人が神を信じるようになるためには、同じ聖霊の働きでも、人を新しく生まれさせる特別な働きが必要です。その働きのほうは、国を動かすような大きなものではなく、その人の心の中で起こる見えないものです。しかし、それは永遠に続くもので、永遠の価値のあるものです。

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