2024年5月9日(木)

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聖書一日一章    詩篇 10篇

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「神はいない。」これが彼の思いのすべてです。(4節)

作者は、悪しき者が高ぶり、我が物顔で悪いことをし、罪なき者をえじきにしている様子を描きます。そして、神に、立ち上がり、えじきになる人々を助けてくださいと祈ります。さらに、神は放っておられるのではなく、じっと見つめておられる、だから、必ず助けられると、その確信を述べます。

さて、4節では、「悪しき者は高慢を顔に表し、神を求めません。『神はいない。』これが彼の思いのすべてです」と言います。悪しき者の特徴は、高慢であることと、神はいないと思っていることだと言うのです。たしかに、悪しき者は、人がしてはいけないと言うことを平気でしていますが、人の忠告を蔑むほど高慢でなければとてもできないでしょう。また、たしかに、悪しき者は、自分の良心に逆らって悪いことをしているのですから、神を信じていれば、そんなことはできません。「神はいない」と考えているのでしょう。

高慢で、「神はいない」と考えている人は、何でも好き放題にできて、本人はさぞ気分が良いことでしょう。5節では、「彼の道はいつも栄え、敵という敵を彼は吹き飛ばす」と言います。悪いことは不思議にうまく行くものです。そのため、6節にあるように、そういう人は心の中で、「私は揺るがされることがなく、代々にわたって、わざわいにあわない」と言うのです。

しかし、現実には神はおられ、世界のさばき主としてすべてをさばかれますので、そのうち、痛い目にあうときがやって来ます。自分がしたすべての悪に対する報いを受けなければなりません。地上で受けるか、最後の審判で受けるかです。

その点、神を知っている者は幸いです。存在においても力においても知恵においても限りなく高い神を知っていると、自分の小ささ低さがよくわかり、高ぶる気になりません。また、神がすべてのことを見ておられると意識しているので、平気で悪いことをするようなこともありません。弱さからついついしてしまった悪についても、キリストの赦しが備えられているのです。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成