2024年7月21日(日)
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聖書一日一章 詩篇 83篇
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神よ。沈黙していないでください。(1節)
作者は神に「沈黙していないでください」と訴えますが、それは、2節で、「ご覧ください。あなたの敵が騒ぎ立ち、あなたの民に対して悪賢いはかりごとをめぐらしています」と言うように、イスラエルを我が物にしようとしていたからです。その敵とは、5節以下によると、エドム人、モアブ人、アンモン人、アマレク人、ペリシテ人、そしてアッシリア人の連合軍で、旧約聖書でイスラエルに敵対的な国として登場する国がみな名を連ねています。そこで、神が立ち上がって助けてくださるように祈るのですが、9節から11節は、士師記に登場する、ギデオンがやっつけた敵の首長たちで、彼らのようにやっつけてくださいと言います。また、13節以下では、風が藁を吹き転がすように、火が山々を焼き尽くすようにしてくださいと言います。
さて、作者の言葉には、敵に対する敵意や憎しみが露骨に表れています。キリストが、「自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」と教えられたことに反するのではないでしょうか。しかし、キリストは、殺そうとする者に、殺してくださいと言うように教えられたわけではありません。殺されることはどんな場合でもみ心ではありません。殺そうとする者から守られることがみ心です。守られるためには、力が必要です。神はその力を持っておられます。そして、み心でなければ、雀の一羽さえ死なせない神は、はるかに価値のある愛する人をその力によって守ってくださいます。この時にも、いじめやハラスメントを受けている方がおられるでしょう。死にたいとまで思った方がおられるかもしれません。逃げたいと思ってもそれができない方もおられるでしょう。必要なのは、敵を愛する愛よりも、その状況から救う神の力です。そして、神は必ずその力を現してくださいます。神のみ心は、そして私たちが願うことは、18節です。「こうして彼らが知りますように。あなただけが全地の上におられるいと高き方であることを。」自分も、敵も、主が唯一の全能の神であることを知ることです。
そのように神の存在とその大きな力と守りを体験するときに、敵を愛する余裕も出てくるのではないでしょうか。
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