2024年7月24日(水)
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聖書一日一章 詩篇 86篇
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私のたましいをよみの深みから救い出してくださる。(13節)
ダビデは神に感謝しあがめる理由として、13節で、「あなたの恵みは私の上に大きく、あなたが私のたましいをよみの深みから救い出してくださるからです」と言います。ダビデは神の恵みをたくさん受けてきました。一介の羊飼いの少年から王の側近に引き上げられ、迫害されるようになってからは、数々の危機から奇跡的に助けられ、王座に着かせてもらい、戦争に勝たせてもらい、不動の地位を与えられました。ダビデは心から神の恵みに感謝していたでしょう。しかし、ダビデが一番大きく感じていた恵みは、そういうことではなく、「私のたましいをよみの深みから救い出してくださ」ると彼が言うそのことでした。それはダビデにとって、ほかの恵みとは比べられない大きな恵みだったに違いありません。
ところで、その「たましいの救い」は、私たちにとっては、福音の中心であり、信仰の基本的な内容です。しかし、それはキリストによって初めて明らかにされたことで、旧約時代には、隠されていました。それで、旧約時代の人々は、死ねば、「よみ」という地下にある暗くぼんやりした所に行くように漠然と考えていました。そんな時代に、たましいが「よみ」からのがれる道があると考えるだけでもすごいことなのに、神が自分のたましいを必ず「よみ」から救い出してくださると考えることは、信じられないことです。ダビデがそんなことを願ったのは、詩篇6篇によれば、「よみ」に下れば、神をほめたたえることも神と交わることもできなくなると思ったからです。ずっと神と交わり、神をほめたたえたいと願った結果、神は未来にキリストによって示すおつもりだった真理を、彼に特別に示されたのでしょう。私たちはすでに来られたキリストによって、「よみ」から救われ、永遠のいのちを与えられることを示され、保証までされています。私たちの終着点が「よみ」という嫌な所ではなく、神の臨在に満ちた光輝く新しい世界であることを感謝しましょう。
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