2024年8月14日(水)

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聖書一日一章    詩篇 107篇

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彼らは減って、うなだれる。(39節)

この詩は「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い」という句で始まり、神のいつくしみ深さを現すみわざとして、死の危機からの救いを語ります。荒野でさまよい、飢えと渇きによって死にそうな状態からの救い、捕えられ、鉄のかせをはめられ、絶望した状態からの救い、重病で食物を受けつけない状態からの救い、船で暴風雨にあい、あわや遭難という状態からの救い、干ばつで飢えた状態からの救いです。現在に至るまで、多くの人がこのような経験を通し、いつくしみ深い神がおられることに目を開かれてきました。

さて、39節では、「虐げとわざわいと悲しみにより、彼らは減って、うなだれる」と言います。人々が希望を失い、人口が減っていました。現在、日本では、人口の減少が問題となっています。たしかに人口が減ることは寂しいことです。さびれる感はぬぐえません。ただ、多くの人がそれを問題にする理由や考え方に気をつけなければなりません。多くの人は、GDPの減少、経済の衰退、税収不足など、経済のことを考えています。経済のために人が必要だというのは、本末転倒です。考え方を変えれば、人口が減ると、狭い国土でもゆったりと住め、自然破壊も少なくなり、美しい自然が戻ってくるというメリットもあるでしょう。ほんとうに大事なことは、GDPではなく、一人一人が生きがいを持って幸せに生きることだと思います。

問題は、日本人が全体的に夢や希望を失っていることです。そして、人口の減少やGNPの減少がその象徴となり、その風潮を助長しています。人々はこの70年間、経済発展を目ざし、生きがいにしてきましたから、それがなくなれば、夢や希望がなくなるのは当然です。しかし、いつまでも続く夢や希望は、そんな栄枯盛衰する経済などによって得られるものではありません。神に愛されることによって、愛されて祝福されることによって生まれるものです。そして、神に愛されていることの確信は、キリストによって持つことができます。パウロはローマ人への手紙15章13節で言います。「どうか希望の神が、信仰によるすべての喜びと平安であなたがたを満たし、聖霊の力によって希望にあふれさせてくださいますように。」

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