2024年11月30日(土)

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聖書一日一章    イザヤ書 4章

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主の若枝は麗しいものとなる。(2節)

1節は、ユダ王国が戦争でさんざんに敗れ、ほとんどの男が死んでしまった将来を預言しますが、2節では、そんな所に「主の若枝」が現れることを預言します。「若枝」は、枯れた木の根株から生えてくる枝で、ユダ王国が滅びた後に、新しい王国を建てる人物、しかも「主の」ですから、神が選び送られる人物を指しています。すると、神から遣わされ神の国を建てられるキリストのイメージとぴったり一致しますので、キリストの預言と考えてよいでしょう。その「若枝」が生き残った人々にとって、「誇りとなり、輝きとなる」と言われ、また、彼らの「汚れを洗い落と」すと言われます。国の滅びという暗黒の未来の向こうにキリストの到来と輝く未来があるのです。

さて、1節では、「七人の女が、一人の男にすがりついて」「妻にしてください」と頼むと言います。これは戦争で男がほとんど死んでしまって、女が結婚できず、子どもが生めず、民族の絶滅の危機にあることを表しています。イスラエル民族は数奇な宿命を持った民族で、絶滅の危機を何度も経てきました。最初の危機は、エジプトで男の子をみな殺せと命じられた時です。2度目の危機は、国がバビロン帝国によって滅ぼされ、民が各地に散らされた時です。3度目の危機は、キリストの昇天の40年後のことですが、ローマ帝国と戦争し、敗北し、人々がヨーロッパ各地に散らされた時です。4度目の危機は、ナチスによるいわゆるホロコーストで、ヨーロッパ在住のユダヤ人1千万人のうち6百万人が殺されたと言われます。

しかし、絶滅の危機はイスラエル人だけではなく、どの民族にもあります。核爆弾が使われる危険性はいつもあり、小さな民族だと1発で絶滅してしまいます。日本人には別の危機があります。現在の出生率が続くと、数百年で絶滅してしまいます。それよりも温暖化がどんどん進み、どの民族も絶滅してしまうかもしれません。民族の未来は、私たちが常識的に考えているよりずっと危いものです。しかし、私たちはもっと確かな民に属しています。ペテロはその手紙第一2章9節で、「あなたがたは聖なる国民、神のものとされた民です」と言います。この民は絶滅することがなく、永遠に続きます。

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