2025年4月24日(木)

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聖書一日一章    エゼキエル書 26章

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海の君主たちはみな、あや織りの衣服を脱ぐ。(16節)

イスラエルのすぐ北の港町ツロについての預言です。「第十一年のその月の一日」とありますが、「第11年」とはエゼキエルが捕囚になってから11年、「その月」とはエルサレムが廃墟となる月、その日にちは列王記第二によると、9日ですので、「1日」と言えばまさに直前でした。神はツロがエルサレムの悲惨を喜んだので、同じ目にあうと言われ、詳しく語られます。

さて、神は16節で、「海の君主たちはみな、その王座から降り、上着を脱ぎ捨て、あや織りの衣服を脱ぐ。彼らは戦慄を身にまとって地面に座り、唖然とする」と言われます。「海の君主たち」とは、ツロと取り引きしていた地中海沿岸の国々、町々の君主たちのことです。彼らはツロの滅亡を聞き、同じように地中海貿易で潤っているので、他人事とは思えず、明日はわが身と恐れ、王座から降り、王服を脱ぎ、震えながら地面に座るというのです。君主たちは、立派な宮殿に住み、王座に座り、豪華な服を着、多くの人が仕え、多くの兵が守り、いばっているので、その権力は強大で不動のように見えます。しかし、思うほど安泰ではありません。歴史を見ると、案外、その地位から追い落とされることが多いのです。他国との戦争に敗れて処刑されるとか、反乱や革命によって殺されるとか、敵は宮中にもいて、兄弟に暗殺されるとか、子に暗殺されるとかです。一般に権力者は、ねたまれたり反感を持たれたり、庶民よりも敵が多く、危い立場です。それなのに、「海の君主たち」が、ツロの滅亡を聞くまで、いつまでも安泰だと思っていたように、愚かにもいつまでも安泰だと錯覚している権力者が多いのです。

権力者がどんなに無力かがはっきりするのは、世の終わりの時です。これはすべての高ぶっている人、おごっている人に言えることです。ヨハネの黙示録6章15節には、世の終わりのこととして次のようにあります。「地の王たち、高官たち、千人隊長たち、金持ちたち、力ある者たち、すべての奴隷と自由人が洞穴と山の岩間に身を隠した。そして、山々や岩に向かって言った。『私たちの上に崩れ落ちて、御怒りから私たちを隠してくれ。』」そのときに幻滅しないために、真の王キリストをあがめ、へりくだりましょう。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成