2025年5月22日(木)

_____________________________________________________________________________

聖書一日一章    ダニエル書 6章

_____________________________________________________________________________

彼らの上にダニエルを含む三人の大臣を置いた。(2節)

バビロン帝国はメディアに征服され、最後の王ベルシャツァルは殺され、メディアの王ダレイオスが治めるようになりました。このダレイオスとこの章の28節に名前が出てくるペルシャ帝国を起こしたキュロスとの関係がよくわかりません。史実として確かなことは、メディア国とペルシャ国が協力してバビロン帝国を倒したことです。ひょっとすれば、初期の頃は、ダレイオスとキュロスの共同統治だったのかもしれません。

ダレイオスは120人の太守を任命し、監督のため3人の大臣を置き、その一人にダニエルを任命しました。ダニエルはその務めを完璧にこなしましたが、ほかの大臣や太守たちは彼に敵対し、失脚させようとしました。ただ、何の汚点も見つからないので、彼の信仰を口実にするしかないと考え、王をそそのかし、王以外の何ものにも祈願してはならない、祈願する者はライオンの穴に投げ込むという禁令を出させました。ダニエルはそれを知りながら、通常通り神を礼拝し、捕まり、ライオンの穴に投げ込まれました。しかし、神はライオンの口をふさがれたので、翌朝まで何の害も受けませんでした。

さて、ダニエルが任命された大臣の務めについて、2節には「太守たちがこの三人に報告を行い、王が損害を被らないようにするためであった」とあります。太守たちは放っておくと、その権力を利用して私腹を肥やそうとするし、それは、いわば王に入る税収を横領することで、王の損害になるので、そうならないように目を光らせるのが、大臣の務めでした。この務めは、太守たちからの憎まれ役で、いつ暗殺されてもおかしくない大変な務めでした。安定した統治のためには、このような、王と悪い人たちとの間に立つ人が必要ですが、その務めは悪い人たちの反感を一手に買うような、いのちがけの務めです。キリストが担われたのも、ちょうどそのような務めであったのではないかと思いました。天地を統治しておられる神と、神に反抗的で罪深い人間との間に立たれたのです。キリストが人々から反感を買い、殺されたのは、決して予想外なことではなかったと言えます。キリストはその大変さを知りながらも、神のために、人々の救いのために、あえて担われたのです。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成