2025年8月10日(日)
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聖書一日一章 マタイの福音書 7章
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人からしてもらいたいことは何でも、あなたがたも同じように人に
しなさい。(12節)
キリストの山上の説教の続きです。人をさばく前にまず自分のことを反省するように、神に何でも求めるように、いのちに至る狭い門から入るように、預言者を実で見分けるように、人生の土台を固めるようにと教えられます。
さて、12節では、「人からしてもらいたいことは何でも、あなたがたも同じように人にしなさい。これが律法と預言者です」と言われます。この教えは、一般の世界で「黄金律」と呼ばれ、道徳と倫理の基本とされてきました。たしかに、自分がしてもらいたいことを、進んで隣人にしていけば、周りの人々が喜び、不満や争いもなくなることでしょう。
「律法と預言者」というのは、当時のユダヤ人が旧約聖書を呼んだ呼び方で、「これが律法と預言者です」とは、「聖書が教えている根幹です」という意味です。もっとも聖書には、それだけではなく、神がどういう方かやキリストによる救いの道など大事なことが教えられています。しかし、私たちの行動の基準については、キリストが「心を尽くして神を愛しなさい」と「隣人を自分自身と同じように愛しなさい」という2つの戒めにまとめられましたが、この教えはその2つ目の戒めなのです。してもらいたいことを隣人にすることは、隣人への愛の実践ですし、隣人を愛していれば、自分がしてもらって嬉しいことは、その人にもしてあげたいと思うでしょう。
たしかに、すばらしい道徳なのですが、良いことだ、ぜひしようと思うことと、実際に行うこととは違いますし、その間には大きな距離があります。実際に行うには、多くの犠牲を払わなければなりません。多くの犠牲を払ってでも、そのことをしていくためには、犠牲が惜しくないほど、豊かに与えられる必要があります。つまり、神に愛され、恵みを豊かに与えられて、その愛を実感することです。神の愛を感じ、恵みを豊かに与えられていることを実感し、感謝している者がこの教えを実行できるのではないかと思います。
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