2025年10月9日(木)
_____________________________________________________________________________
聖書一日一章 ルカの福音書 23章
_____________________________________________________________________________
おまえは神を恐れないのか。(40節)
過越の夜に捕らえられたキリストは、大祭司の邸宅で急遽開かれたユダヤ人議会で死刑に決まり、死刑にする権限を持っていたローマ総督ピラトに引き渡されました。ここでは、ピラトとヘロデ王から尋問を受けられたこと、ピラトから十字架刑を宣告され、それが執行されたこと、死なれたこと、ヨセフという人が遺体の下げ渡しを許され、葬ったことを記しています。
さて、この夜は狂気に満ちた夜でした。何の罪もない人をユダヤ人の最も知性的な人々が、捕らえ、ありもしない罪をでっち上げ、死刑に決定しました。最も信頼されていたペテロさえ、キリストとの関係を否定しました。総督ピラトは、「この人には、訴える理由が何も見つからない」と言ったのに、十字架刑を宣告しました。民衆は何もわからないまま、「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫びました。道行く人は十字架を眺めて、あざ笑いののしりました。いっしょに十字架につけられた犯罪人までもが、ののしりました。人々が良識や良心を失った時でした。まさに悪魔に支配された日でした。
そんな中でも、人間の心を失っていない人が光彩を放っています。一人は、十字架のそばで、キリストが息を引き取られる様子を見ていた百人隊長です。47節には、「神をほめたたえ、『本当にこの方は正しい人であった』と言った」とあります。異邦人で信仰のことはほとんど知らなかったのに、キリストの荘厳な最後を見て、単純に、聖なる方だと思ったのでしょう。もう一人は、いっしょに十字架につけられた犯罪人の一人です。彼はもう一人の十字架につけられた犯罪人がキリストをののしるのを聞いて言いました。「おまえは神を恐れないのか。おれたちは、自分のしたことの報いを受けているのだから当たり前だ。だが、この方は、悪いことは何もしていない。」彼は死刑になるほどの凶悪犯でしたが、人間の心は失っていませんでした。
悪魔は多くの人の心を奪い、支配し、良識を失わせてきましたが、現在も働いているので、多くの人が良識や良心を失う時が来るかもしれません。そんな時でも、人間の心だけは失わないでいたいと思います。
テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944 鷹取 裕成
