2025年11月15日(土)
_____________________________________________________________________________
聖書一日一章 使徒の働き 15章
_____________________________________________________________________________
しるしと不思議について話した。(12節)
パウロとバルナバが第一次伝道旅行からアンティオキアに帰ったとき、エルサレムから来たある人たちが、割礼を受けなければ救われないと教えていました。それは、キリストを信じる信仰によって救われるという福音の基本に反するだけでなく、割礼は律法を守るという誓いなので、受けると律法を守る義務が生じ、大問題でした。そこで二人はこの問題を解決するため、エルサレムに行き、使徒たちと話し合いました。ペテロやキリストの兄弟のヤコブが、異邦人のクリスチャンに律法を求めないことが主のみ心だと言ってくれたので、自由な信仰が守られました。パウロは再び伝道旅行に出発する上で、前の旅行で途中で帰ったマルコ・ヨハネを同伴することで意見が対立したので、今回はエルサレム教会の指導者の一人シラスとともに行きました。
さて、パウロとバルナバはエルサレムの教会の代表者たちに迎えられると、その問題のことを話すのではなく、伝道旅行で「神が彼らとともにいて行われたこと」を報告しました。そして、いよいよその問題を話し合う段になったとき、パウロは何も発言していません。話をまとめたのは、ペテロとヤコブです。パウロにとっては、自分の子羊のような異邦人クリスチャンが自由を奪われるかどうかの瀬戸際なのですから、普通ならだれよりも熱く話すところです。割礼を奨励する人たちのほうは、5節にあるように、「異邦人にも割礼を受けさせ、モーセの律法を守るように命じるべきである」と声高に主張しました。それなのに、パウロは黙っていました。ペテロやヤコブを信頼して任せていたのかと言うと、そんなことはないと思います。パウロが彼らに会ったのは、9章で劇的な回心をした直後の1回限りで、安心して任せられるような関係ではありませんでした。それでもパウロが発言しなかったのは、キリストと聖霊がこの会議を導いておられると信じていて、キリストと聖霊に任せていたからでしょう。実際、それが最善でした。聖霊はペテロとヤコブを正しい結論に導かれましたし、エルサレム教会側の彼らがまとめた結論だったので、会議のすべての人が受け入れることができました。私たちは正しいと強く信じると、何とか説得しようとやっきになりますが、良い結果を与えられるのは、議論や説得ではなく、聖霊です。
テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944 鷹取 裕成
