2025年11月19日(水)

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聖書一日一章    使徒の働き 19章

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手で造った物は神ではない。(26節)

パウロは3度目に伝道旅行に出かけ、小アジアの内陸部を通ってエーゲ海沿岸の主要都市エペソに行き、ユダヤ人の会堂で教えていましたが、3ヶ月ほどしてある人たちからののしられたので、「ティラノの講堂」という場所を借りて、2年間教えました。神がパウロを通して多くの癒しや悪霊の追い出しを行われたので、キリストへの信仰がその辺り一帯に広がっていきました。しかし、その町には、古代の七不思議に数えられたほど大きく有名なアルテミス神殿があり、銀細工人たちはその神殿の模型を造って売って利益を得ていたところ、パウロが偶像を否定するので、商売が上がったりだと、暴動を起こし、大騒動になりましたが、町の書記官がうまく静めてくれました。

さて、デメテリオは、この世の宗教の人々を代表していると思います。まず、彼は26節で、パウロが、手で造った物は神ではないと言ったことを非難していますが、それなら彼は手で造った物をほんとうに神だと思っていたのかと言うと、そうではないでしょう。それが神でないことは、造った本人が一番よくわかっていたでしょう。この世の宗教の人々の多くは、神や仏が実在すると信じないまま、その宗教のしきたりや習わしを行っているように思います。第二に、デメテリオの目的は、アルテミスの栄光でもなければ、人々の幸せでもなく、お金でした。そんな目的なら、参拝者を裏切っているかと言うと、参拝者の目的とも一致していました。参拝者の目的も、アルテミスの栄光ではなく、アルテミスがもたらす運であり、それによる商売の成功と利益だったからです。人々はそのために模型を買ったのでしょう。19節によると、その町には魔術を行っている人が多かったようですが、魔術の目的も同じでした。ひょっとすると、クリスチャンの中にも、神の栄光のためではなく、自分の成功や利益のために信じている人がいるかもしれません。第三に、デメテリオは26節で、パウロが大勢の人々を迷わせたと言っていますが、この世の宗教の人々には、神を本気で信じることは、血迷っているように見えるのです。この世の宗教の人々の宗教とのかかわり方は、「触らぬ神に祟りなし」、つまり深入りしないようにです。私たちはこの世の宗教の人々からは、深入りしすぎているように見えるでしょうが、仕方ありません。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成