2025年11月22日(土)

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聖書一日一章    使徒の働き 22章

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「こんな男は、地上から除いてしまえ」と言った。(22節)

パウロは第三次伝道旅行後、エルサレムに帰りましたが、ユダヤ人クリスチャンのある儀式に付き添って神殿にいたとき、外国人を連れ込んだと誤解した群衆に捕らえられました。殺されそうになり、駆けつけたローマ軍に助けられました。パウロが千人隊長に群衆に話させてくれるように頼み、許されて、話したことが1節から21節です。パウロは、律法に忠実だった自分が、どうしてキリストを信じたのかを話しました。群衆は途中で我慢できなくなり、暴れ出したので、千人隊長は兵営に入れて取り調べました。

さて、暴動を起こした群衆は、22節にあるように、「こんな男は、地上から除いてしまえ」と言いました。暴動を起こした人々が、パウロの教えに反対なのはわかりますが、なぜ「地上から除いてしまえ」と言うほど忌み嫌うのでしょうか。ある人々は、自分たちが信じてきた神の道に反し、神に逆らうように思ったからでしょう。パウロも元々その一人でしたが、そういう人は神に熱心なだけに、激しく反対します。しかし、根は神に従いたいと思っているので、聖書をよく調べ、自分たちが従ってきたことが人の言い伝えに過ぎず、キリストの教えが聖書に適っていること、あるいは、キリストの言動が聖書の預言通りだと知れば、考えを変えるでしょう。

また、ある人々は、その教えが社会の良き伝統を壊し、社会を不安定にすると思って嫌ったのでしょう。彼らが大事にしているものがこの世の秩序や価値観なので、キリストと対立するのは当然で、そこからくる反感を避けることはできないでしょう。コリント人への手紙第一2章14節にあるように、「生まれながらの人間は、神の御霊に属することを受け入れ」ないのです。

また、ユダヤの宗教指導者たちは、キリストが多くの人々から王として崇められることで、自分たちの支配権が脅かされることを恐れたのでしょう。使徒の働き17章で、テサロニケの反対者たちが、パウロたちを「イエスという別の王がいる」と言っていると訴えたのも、そういう恐れからでしょう。そのような恐れからくる憎しみも、この世にいる限り避けられないでしょう。

テレフォンのお分かち TEL 072-255-0944   鷹取 裕成